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16の夜 

ッドヘリングのオーバーリアクションにセリスがため息を吐く。
「冗談よ」
「笑えん冗談を言うものではない」
 そんなレッドヘリングにセリスのため息が深くなる。
「始めはそのつもりだったけどね」
「・・・・」
「まだあの子の物語は終わっていないもの」
 物語、という言葉にレッドヘリングが敏感に反応する。
「気付いていたのか」
「当然よ」
 セリスは不機嫌そうに言うと、改めてレッドヘリングを見回し言葉を続ける。
「憐れねえ」
 セリスは憐れむような、しかし楽しんでいるような不思議な口調で言った。
「何?」
 レッドヘリングには言その葉の意味が解らなかった。
「ほんの少し変わっただけなのにね」
「?」
 しかしレッドヘリングはその言葉が独り言のように感じたのでそれ以上の追求はしなかった。
「お前は、この物語を知っているんだな?」
「ええ」
 その問いにセリスは素直に頷いた。
「この物語は・・・・いつ終わるのだ?」
 レッドヘリングの言葉にセリスは顔を伏せて堪えきれなくなったようにクス、と笑い声が聞こえた。
「本当に、憐れねえ」
 顔を上げたセリスは言葉とは裏腹にひどく意地の悪そうな笑みを浮かべていた。
「いいわ、教えてあげる」
「・・・・」
 レッドヘリングは黙ってセリスの言葉を待つ。
「これはあの娘の紡ぐ、完璧な物語よ」
「完璧な物語だと?」
「望めば誰でも幸せになれる、完璧な世界」
 レッドヘリングは異形のものでも見るかのような目でセリスを見ていた。
「そんなものが・・・」
「そうね、できるはずがないわ。
 不思議な娘ね、もしからしたらもっと別の所から来たのかもしれないわね」
「別の所だと?」
「それ程望んでも叶えられないような、つらい世界から。でもここでは少し影響が強すぎたのね」
 レッドヘリングにはセリスが何を言っているのかまるで解らなかった。
「誰でも幸せになれるのに、あんたは逆のことばかり追いかけるからつらくなるの」
「私は・・・どうすればいい」
 レッドヘリングの問いにセリスは答えなかった。
「いいわ。私もいい加減飽きてきたところだったの」
「!」
「平和なんて束の間だから幸せなのよね。あんまり続くと退屈だわ。そうは思わない、ヘリング?」 
 不敵に笑うセリスの言葉にレッドヘリングは息を呑んだ。
「セリス・・・・」

「この物語はどれだけ続いているのだ?。一体いつから始まっていたのだ・・・・?」

 (十二夜)再会(1/20更新)
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