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外側へ続く物語 

外側へ続く物語 ~next page~

プロローグ


       レッドヘリング→?


 真っ黒闇に張り付いた少し歪な十六夜目の満月は、見ようによっては夜空に開いた小さな穴のようにも見えて、差し込む金色の細い光は風に囁くススキ野を静かに照らしていた。
 そんな中に一本の大きな黒い杭が立っていた。よくよく見ればソレが人影だと判るが、ローブにシルクハットを乗せた姿は巨大な杭に良く似ていた。
ごお、と風が唸り、杭のように突き出していた人影をぐらりと揺らし、杭に乗ったシルクハットを夜闇高く奪い去り、やがてススキ野の下に消えた。それでも人影は気づきもしなかったかのように、あるいは本当に杭であるかのように動かなかった。
「私にもあるのだろうか?」
 杭のような人影の、レッドヘリングの唇からこぼれた問いかけは自分の耳にすら届くことなくススキの囁きに混じって消えてしまった。
 レッドヘリングが手にした本に視線を落とす。それは最後のページで、真っ黒に塗りつぶされた背景に黄色のやけに大きな月が浮かんでいて、飛ばされた帽子をぎざぎざの草むらの上で見上げる人間が、かわいい子供っぽい挿絵で描かれていた。
「お前の夢を信じよう・・・私の信じたものを、私も信じていたいからな」

 ぱたん。

 レッドヘリングが本を閉じた小さな音は、同時にあり得ない音量で夜空を鳴らして世界を押しつぶした。視界が暗転し、音も光も消え失せ、
「・・・」
 次の瞬間には、レッドヘリングは少し誇りっぽく薄暗い部屋に立っていた。
「ふん」
 レッドヘリングは興味を無くしたように鼻を鳴らすと、机に積まれた本に投げるように乱暴に重ねると、そのまま出口へと消えていった。

~continued on the next (other) page~


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