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めてお⇔ヤドリ⇔ハク



プロンテラ大聖堂・廊下

「グラストヘイムの姫さんのトコで使ってたプリーストの服持ってくりゃ良かったな」
 大聖堂に忍び込んだヤドリが廊下を確認しながらハクに言う。
「ヤドリって本当に口ばっかりだな!」
 しかしヤドリの足元を忙しなく歩き回るタヌキのハクは不機嫌だった。
「あぁ?ちゃんと追いついただろうが」
 ヤドリは曲がり角から廊下を覗き込みながら反論した。
「追いついても見てるだけじゃ意味無いじゃないか」
「じゃあなんだ?素直に出てってその本ください、って言うのか?頭疑われちまうぜ」
「うー・・・」
 ヤドリのもっともな反論にハクは唸るしかない。
「良くて『二週間お待ちください』って言われんのがオチだぜ?大体なんでテメーの本が図書館にあんだよ?おかしいじゃねーか」
「たぬ・・・」
「急にタヌキに戻んじゃねえ!ま、のんびり話してられる場所でも無ぇけど・・・な」
 するすると歩き出して、まっすぐな廊下に並ぶ扉の一つに張り付くと、ハクに手で合図をして二人は中に滑り込む。
 ヤドリは鍵を掛けて、地味だが高級そうな家具の揃った部屋を見回した。さっきハクの本を持った女が手ぶらで出てくるのをヤドリは見ていた。
「さーてさて」
 借りた本を本棚にしまうことはないだろうと思い、手始めに机に向かう。
「ヤドリ、あの本だ」
 再び肩によじ登っていたハクが机の上の茶色い革の本を指差した。
「・・・あ?」
 本を引き寄せようとして、動きを止めた。いや止められていた。反対側の机の下から伸びていた手によって。
「誰っスか?」
 のんびりした声がして、机の下からそいつは現われた。ヤドリと同じくらいのやや小柄なヤツだった。
「部屋のものが無くなると御主人に怒られるッス」
「・・・!」
 机の下から出てきたそいつはヤドリがこの場にいることに不審がる様子も見せずに、絶句するヤドリを無視して本を取り上げた。
「ヤドリ、この人、人間じゃない」
「机の下から出てきたくれーで、そりゃ言いすぎだろ」
 ヤドリが呆れた声で囁く。
「そうじゃなくて、この人、モンスターだ」
 ヤドリは疑わしげにソイツを見ていたがすぐにふーん、とどうでも良さそうに鼻を鳴らす。
「ま、なんでもいいや。さっさと本頂いて逃げようぜ」
そしていつもの調子に戻ってニヤっと笑った。

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