FC2ブログ

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

16の夜 

 がどこでどうなったのか、彼の道中でどんな間違いが起きたのか、それは誰にも解らない。
 ハク本人にしてみればそれはごく当然の事であり、「思ったより時間がかかっちゃったなぁ」程度の問題でしかなかったので、その答えを知る者はどこにもいない。

 グラストヘイムの森はフロルと遊んだハクの故郷の森とは大分違っていた。恐ろしい怪物鳴き声が昼も夜も構わずに聞こえてきて、のんびり休むこともできなかったし、緑色のでっかいトカゲに追いかけられたりもした。歩いていたら突然花に噛み付かれた時には本当に驚いた。
 でも木漏れ日の差し込む朝の森を駆けるのは気持ちよくて、なんでかちょっと懐かしい感じがした。

 そんな迷っている危機感など微塵も無くグラストヘイム目指すハクは・・・・・

 一生分の偶然と奇跡を総動員したのか、はたまた神か物語の導きか。
 地図もコンパスもまともに扱えないハクは無謀にも森を突っ切ろうとして、遥か明後日、いや明々後日を目指して歩いていたにも関わらず、今ハクはグラストヘイムの街の背後に高く聳える巨大な城を見上げて感嘆の声を上げていた。

「グラストヘイムにはついたけど、いったいどこを探せばいいんだろ?」
 ハクにとってこの街にフロルがいるということは決定事項で、万に一つにもフロルが居ないだなんて想像すらできない様子だった。
 
「はふぅ・・・・・・」
 途中で見つけた露店で買った焼きとうもろこしを食べながら、ハクは歩き疲れて座り込む。
 赤い地面に気付いて何気なく見上げてみれば、太陽はもう建物の影に半分くらい隠れていた。
「こんなに人がいっぱいいるのに、なんでフロルだけいないんだろう?」
 夕暮れ時だというのに往来を行き来する大量の人を眺めながらため息を吐いた。
 しかし暫く人並みを、ぼーっと眺めていたハクは突然立ち上がる。

「そうだ、あの人に聞いてみよう!」

(九夜)グラストヘイム皇女(1/16更新)
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://akanisin.blog72.fc2.com/tb.php/97-c97206a4

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。